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単品管理のメリット・デメリット。活用したいおすすめPOSレジも

小売店で欠かせない売上管理や在庫管理ですが、以前は商品のカテゴリごとに売上や在庫が管理されていました。商品ごとの売上や在庫を把握するのが難しく、ニーズに合った商品展開や適正在庫の維持に悩みを抱える店舗が多くありました。そこで、セブンイレブンが先駆けとなり、商品ごとに管理する単品管理の考えが生まれます。

本記事では、単品管理とは何かとともに、メリット・デメリットや先駆けとなったセブンイレブンの事例、おすすめのPOSレジをご紹介していきます。

単品管理とは

まず商品を選ぶときに何を基準にするのかを考えてみましょう。例えば、服を選んでいるときに、「ニットが欲しい」と思ったら、多くあるニットのなかからサイズや色、ブランドなど細かい基準でお気に入りのニットを見つけるはずです。このときニットという大きなカテゴリで商品管理をしていると、商品ごとにサイズや色などで探すニーズに応えられず、機会損失や売れ残りによる過剰在庫を引き起こします。

単品管理は、カテゴリではなく商品ごとに管理を行う手法です。単品単位で仮説を立て、販売・検証を経て分析を行い、商品ごとの売行や展開を見直すことで売上をつくれる売り場に近づいていきます。売れる商品をしっかり持ち、売れない商品を排除できれば、適正在庫の維持にもつながるので、小売店の在庫管理に不可欠です。

単品管理のメリット・デメリット

単品管理には、売上の把握、売れる商品の選定などメリットがあるものの、データに頼りがちになるとデメリットにもなり得ます。単品管理のメリット・デメリットを詳しく説明していきます。

【メリット】商品ごとの売上がわかる

単品管理をすることによって、商品ごとに売上がわかるようになります。売上に対して、どれくらいの在庫が必要かを判断しやすくなるので、適正な発注につながります。

売れるだけの在庫をしっかりと確保することで機会損失を減らし、無駄な発注による売れ残りを防ぎ、売上づくりと適正在庫の維持を連動させることができます。

【メリット】死に筋商品の改廃・売れ筋商品の強化ができる

店舗運営において、売上をつくるためには売れる商品をできるだけ多く並べるのが理想です。単品管理では商品ごとに売上がわかるので、売れている商品だけで売れていない死に筋商品も一目でわかります。死に筋商品を改廃することで、売れ筋商品や売れる可能性がある仕掛け商品を展開するスペースが生まれ、売上アップを期待できます。

また売れ筋商品の強化にも単品管理は効果的です。急速に売上が伸びた売れ筋商品にいち早く気づくことで、あらかじめ在庫を確保したり、在庫を増やして売り場で目立たせたりするなど、売上を最大化できるようになります。

【メリット】消費者のニーズをつかめる

商品ごとの売上には、消費者のニーズが隠れています。例えば、チョコレートひとつをとっても、ブラック・ホワイト・無糖・糖質オフなどさまざまな種類があります。世の中で糖質オフに注目が集まり、糖質オフのチョコレートが売れたとします。

チョコレートというカテゴリで管理していると、商品ごとの売行に気づけませんが、単品管理をすると「糖質オフのチョコレートが最近売れている!」とわかります。糖質オフのチョコレートが食べたいというニーズに応えて、コーナーをつくればポイントをおさえた売り場展開ができますね。

【デメリット】現場よりもデータ重視になりがち

単品管理によって商品ごとの情報がデータでわかるようになりますが、データだけではわからない情報もあるので、頼りすぎには注意が必要です。

単品管理で適正な発注ができても、在庫にあった陳列ができていないと、売れ筋商品をアピールすることができません。データで商品ごとの情報を把握しつつ、現場での業務に連動させる必要があります。

単品管理の先駆け・セブンイレブンの事例

単品管理の先駆けとして知られるのがセブンイレブンで、世界的にも独自の商品管理であったので、海外では「tanpin kanri」と呼ばれています。

当初のセブンイレブンでは、発注単位が大きかったこともあって、発注精度の低さが大量の過剰在庫につながっていました。発注単位を減らすためには交渉力が必要でしたが、すぐに交渉力をつけることは難しく、在庫を適正に管理するべく単品ごとの管理に目を向けます。売れない商品を排除し、売れる商品を加えることを繰り返し、売上アップと在庫の削減を実現し、単品管理が根付いていきました。

現在では、マルチメディアを活用した店舗システムによって単品管理を実践しています。
・GOT(グラフィック・オーダー・ターミナル):無線LANによる効率的な発注作業
・POSレジ:販売データと連動した単品管理
・SC(ストアコンピューター):販売データに基づいて販売促進
・ST(スキャナー・ターミナル):検品・陳列・鮮度管理などの支援

独自の単品管理にテクノロジーを導入することによって、より効率的で充実した商品管理や販売促進を可能にしています。

単品管理を可能にするおすすめPOSレジ

多くのPOSレジに在庫管理機能がついていますが、そのなかでも単品管理におすすめしたいPOSレジをピックアップしました。単品管理の導入を考えている事業者は、ぜひPOSレジ選びの参考にしてみてください。

ユビレジ

ユビレジは、売上向上を実現する機能が充実したタブレットPOSレジです。売上管理・分析機能では、商品別の単品管理はもちろん、部門別、客層別などの管理もでき、より多角的な視点で、店舗の見える化を可能にします。より正確な単品管理ができるので、精度の高い売上把握、在庫維持を目指す店舗におすすめです。

他にも、在庫管理や顧客管理、複数店舗管理、オーダーエントリーなどとも連携できるので、小売店だけでなく、飲食店やサロンなど幅広い店舗で活躍してくれます。

BCPOS

ビジコムのBCPOSは、商品ごとに仕入れ・販売額や粗利、在庫など幅広い情報を確認することができます。単品ごとの売上分析と合わせて、店舗全体の在庫管理や売上分析に活かせる機能が備わっています。

またオプションも多く、EC在庫との連動や本部・支店管理システム、納品書などをPOSデータと連動して作成できる販売管理ソフトとも連携できます。複数店舗を運営している事業者やECショップを運営している店舗におすすめのPOSレジシステムです。

Nexpo

Nexpoは、在庫管理や売上分析ができながら、安い月額で利用できるコストパフォーマンスの高いPOSレジです。機能のひとつであるSKU管理では、サイズやカラーなど属性で単品管理することができます。

アパレルや小売店の単品管理だけでなく、飲食店での原材料設定など細かい単品管理ができるので、売上アップ・商品選定以外にも、顧客目線の管理も可能です。

ワンレジ

「不正を起こせない環境を提供すること」これは経営側の命題です。

飲食店で働く人に初めから犯罪をしようと思う人はいません。タイムカード管理がいい加減だから不正打刻が起こり、現金管理がいい加減だからお金を盗む人が現れます。ワンレジは全ての不正を監視し、みんなが安心して働ける環境を提供します。価格についてはお問い合わせください。

まとめ

単品管理を取り入れることによって、商品ごとの売上がわかり、死に筋商品の排除やニーズに合った売り場展開などができるようになり、売上アップと適正在庫の維持を可能にします。セブンイレブンが先駆けで、単品管理を繰り返すことで手法が確立し、成果をあげたので、商品ごとの仮説・検証を取り組み続けることが大切です。カテゴリごとの商品管理から単品管理に切り替えて、店舗運営を効率化・活性化しましょう。